認知症がすすみ内科医のいとこが経営している施設に昨年末に入所していた叔母が脳梗塞で倒れたと連絡がありました。急遽両親を連れて湯河原へ行ってきました。私の父が同様に脳梗塞で倒れたのは15年程前、その時静岡からお見舞いに来てくださった父と幼い時から仲の良かった叔母でした。いとこは診療所にいて状況をわかりやすく説明してくれました。ひとり暮らしで食事も食べたり食べなかったりお風呂も忘れてしまうほどで片付けができなくなり施設へ入所したようでした。
「入所してから腰がどんどんまがってしまって・・・それでも食事は自分で何とか食べていたんだけど・・・」
高齢で若い人のように栄養をたくさん入れても吸収されにくいこと、胃ろうで直接栄養を入れてもこの状況では「延命」となるけど身体に吸収されないということ、そして栄養が吸収されないということは身体が拒否しているので「延命」は何とも言えない状況だと言うこと。看護師も栄養士も介護士もとても親切に対応してくれてるようでした。面会をすると状況は一目瞭然でした。
いとこはとても優しい医者です。
褥瘡を予防するためのエアマットが入っていました。そして腰がどんどんまがってしまった原因については知らない・・・「高齢だから・・・」これが「高齢者医療」の現場です。褥瘡いわゆる床ずれは除圧するために体交が必要だとされています。やわらかいマットレスや定期的に除圧するためにエアマットを使います。食事の後は嘔吐した吐物や飲み込んだものが逆流して気管に入り込んで誤嚥しないように横をむけたうえでギャッジアップされます。体交は数時間ごとに体位を交換して褥瘡を予防します。横にむけて足の位置を適度にずらして少しギャッジアップして「楽な姿勢」でゆっくりと眠れるように気を使って整えてくれます。骨盤をずらし腰椎や胸椎、頸椎をあっちにねじりこっちにねじりたくさんの枕で体交枕で姿勢をキープします。そして親切丁寧にギャッジアップしてくれます。
なぜ骨盤が歪むと歩けなくなるのか。なぜ骨盤が歪むと腰の骨が歪むのか。なぜ腰椎が歪むとねこ背になるのか。なぜ胸椎が歪むとストレートネックになるのか。医者も看護師も介護士も知りません。首の骨がずれればどのようなことがおこるのか誰も知りません。ですから褥瘡予防や誤嚥の予防のために一生懸命体交をします。「この姿勢は苦しくないか?」「床ずれの位置にあたるものはないか?」など気を使って体交をします。親切丁寧に・・・
でもそれが歩けない姿勢をつくってしまうことを知らないのでどんどん腰がまがってしまうと「高齢だから・・・」と言う一言ですまされてしまいます。ベッドに寝て横むきになった姿勢でギャッアップされたらどんな姿勢か想像してください。姿勢が崩れないようにいたるところに枕をかまされた姿勢を体験してみてください。長時間その姿勢をキープすれば自律神経は流れず骨は歪み腰が痛くなり立てなくなるのは当たり前のことなんです。そして「立てなくなった」と言われて車いす生活を余儀なくされる。
介護の仕事をしているとき「寝たきり」の人のお手伝いが出来てリハビリを頑張ってもらって元気になっていく姿を想像していました。現実は腰が痛くて歩けなくなり立てなくなりしゃべらなくなり無表情になっていく姿をたくさん見ました。なぜこんなにすぐ状況が変化してしまうのかと悩むこともありましたが「寝たきり」は簡単に作ることができるとだということです。
わたしたちの腰の痛みも同じです。やわらかい布団やベッドで身体が沈み込んだ姿勢で横向きに眠れば骨盤が歪みます。歪んだ骨盤は腰の痛みにつながります。骨盤が歪めば次に何がおこりますか?
これは高齢者に限ったことではありません。今の若い人たちの寝る姿勢も別の形で影響が出ています。小学生で頭痛がひどいと小児用の痛みどめのお薬が市販される時代ですから。
「寝たきりゼロ政策」と昔そんな言葉がありましたが「寝たきり」簡単に作れてしまうことを忘れないでください。
高齢だから・・・・と腰がまがるのは当たり前と言う前にできることがたくさんありますよ。
訪問施術や最寄駅までの送迎もいたしております。自宅施術院だからできることがたくさんありますよ。
カイロプラクティックわかな
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